2025年4月30日、海運大手・商船三井(9104)の2025年3月期決算が発表されました。業績としては文句なしの好決算。なんと、純利益は前年比+62.6%の4,254億円。配当も年間360円という高還元ぶりです。
…が!株価はなんと5,272円から一気に4,422円まで急落(-16%超)。
SNSでは「好決算なのにナゼ?」と驚きの声が飛び交いました。私も思わずチャートを二度見。
そこで今回は、なぜ株価が下がったのか?このあとどうなるのか?を、長年の投資してきた目線で読み解いてみます。
配当狙いの方も、長期保有を検討している方も、「新NISAどう使う?」と迷っている方にもヒントになればうれしいです。
- 商船三井の2025年3月期決算の要点
- 株価が急落した本当の理由とは?
- 来期(2026年3月期)の業績見通し
- 投資家としての対処法3選
- SNSや個人投資家のリアルな反応
商船三井決算!過去最高益でも株価は急落…なぜ?
25年3月期業績ハイライト(前年同期比)
指標 | 実績 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 1兆7,754億円 | +9.1% |
営業利益 | 1,508億円 | +46.3% |
経常利益 | 4,197億円 | +62.1% |
純利益(親会社株主帰属) | 4,254億円 | +62.6% |
EPS(1株利益) | 1,186.6円 | +64.2% |
業績は過去最高でしたが、株価は決算直後に急落。これは「良すぎた決算」ゆえの“ピーク感”と「来期大幅減益&減配」のダブルパンチが原因です。
過去最高益を更新。コンテナ船・エネルギー・自動車船など幅広い分野が貢献。
株価急落の理由は「来期への不安感」
来期(2026年3月期)業績予想
指標 | 予想 | 前年比 |
---|---|---|
売上高 | 1兆7,000億円 | △4.3% |
営業利益 | 1,000億円 | △33.7% |
経常利益 | 1,500億円 | △64.3% |
純利益 | 1,700億円 | △60.0% |
来期の純利益は△60%予想 → 減配も150円に 商船三井は今期、純利益4,254億円と過去最高益。ですが、来期予想はなんと1,700億円(△60%)。配当も150円と今期の半分以下になる見通しです。

市場は「業績ピークアウト」「高配当投資の魅力減退」と受け取り、短期筋が一斉に売却へ。
考えられる理由
- 減配インパクトは高配当銘柄にとって致命的
- 海運市況(BDI・CCFI)もやや軟調
- 個人投資家の配当狙い資金が引き上げた
私もこの減配は“防御姿勢すぎる”と思いました。減益は仕方ないとしても、150円の下限配当だけ提示というのは、もう少し株主フレンドリーでも良かったのでは?
商船三井は今後どう動く?中長期で見ればまだ買いかも!
今後の株価は、「配当利回り」「海運市況」「ONEの利益動向」がカギです。中長期では依然として資産株・復配期待株として有望と見る声もあります。
株主還元
内容 | 金額 |
---|---|
2025年3月期配当 | 年間360円(中間180円+期末180円) |
2026年3月期予想 | 年間150円(中間75円+期末75円、下限配当) |
回復シナリオのカギはONEと原油市況
コンテナ市況(ONE)は想定より悪くない可能性があります。
今回、ONEの2025年3月期純利益は42億ドルと想定を上振れ。来期は減益予想ですが、北米西岸向けの運賃はなお高水準を維持しています。
実は、商船三井の今期純利益4,254億円のうち、約8割がONE(持分法適用会社)によるもの。この構造を踏まえると、
ONEの業績=商船三井の株価
という構図は意識しておきたいポイントです。海運市況にも底打ち感が出ており、「悪材料出尽くし」で株価が反転するシナリオもあり得ます。
投資判断のまとめ(初心者向け)
指標 | 結論 |
---|---|
PER(株価収益率) | 4倍 → 割安だが来期は一時的に悪化見込み |
PBR(純資産倍率) | 0.6倍 → 解散価値割れ、バリュー株の王道 |
ROE(自己資本利益率) | 15%超 → 優良企業水準、資本効率も高い |
一般的に「PER=15倍前後」「PBR=1倍」「ROE=8%以上」が目安とされます。

私は「4,500円台」まで下がった時点で買いを入れました。
「来期減配は織り込み済み」と見て拾い、中長期で5,000円台回復の可能性もあり、今はまさに“忍耐と逆張り”の時間です。
⚫︎ 0.7倍前後で割安感あり
⚫︎自己資本比率53.9%で財務も健全
⚫︎中長期視点なら利回り3%台で仕込み候補
商船三井は“決算は良好”なのに“株価は大きく下落”という、典型的な「材料出尽くし」型の反応を見せました。来期見通しの慎重さと減配にショックを受けた投資家の動きが直撃した形です。
とはいえ、財務健全性・市況反転期待・割安感などから、悲観一辺倒ではありません。焦って売るよりも、長期視点で割安時に少しずつ買い増すスタンスが有効かもしれません。
私は下げたらナンピン買いをしていこうと思っています。
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