トランプ関税でドカンと下げた株式市場も、各国とのにらみ合いを経て、トランプさんの態度がややマイルド化。おかげで市場もだいぶ落ち着いてきました。「新NISAで投資デビューしたけど、含み損エグい…」と泣いていた人たちも、最近はようやく笑顔が戻りつつあります。
そんな中、信越化学工業が過去最大規模となる5000億円の自社株買いを発表!
「おっ、これってチャンス?」「ニュースは出たけど、本当に今買っていいの?」
そんな疑問に答えるべく、今回は最新のニュースとチャートをもとに、初心者にもわかりやすく信越化学工業の株価がこれからどう動きそうかを個別株投資歴18年の筆者(対して実績はないですが...)が予想してみます。
- 信越化学工業の自社株買いのインパクト
- 直近決算と株価下落要因の解説
- チャート分析から読むターゲット価格
- PTS市場から得られるヒント
- 初心者でもできるリスク管理と押し目買い戦略
信越化学、5000億円自社株買い発表!
信越化学工業は、発行済株式数の10.2%にあたる5000億円分の自社株買いを発表しました。自社株買いは需給を引き締め、株価押し上げ効果が期待されます。特に今回は、現預金を抱えすぎと指摘されていた中での発表だけに、株主還元強化の姿勢も好感されています。
信越化学工業とは?【企業概要と直近の状況】
化学と電子材料で世界トップシェア
信越化学工業は、塩化ビニール樹脂(PVC)と半導体向けシリコンウエハーで世界トップシェアを誇る化学メーカー。高い収益性と安定したキャッシュフローを強みに、景気敏感度が低いビジネスモデルを築いています。

越化は主要製品でのシェアの高さを強みに、安定した高収益体質を誇る化学大手。営業利益は前期に対し6%の増益となり、経常利益も4%の増益となった。 2025年3月期の売上高は前期比6.1%増の2兆5612億4900万円、営業利益は同5.9%増の7421億500万円、経常利益は同4.2%増の8205億4300万円だった。
日経新聞 業績サマリーより

昨年からの株価下落はなぜ起きた?
業績が市場予想を下回り、塩ビ市況悪化や半導体需要の鈍化も重なった。さらに信用買いの過熱で需給が悪化し、株価は大きく下落した。
翌営業日での株価予想は?


ニュースが出ていたのが21時。発表当日のPTS取引では4228円で売買が成立。通常、PTS価格は翌日の寄り付きに大きな影響を与えます。25日の終値が4,046円だったんですが、このことから、注目は高いと見て月曜朝は4300円前後、もしくはさらに高い水準で寄り付く可能性が高いと予想されます。
チャート分析から読む短期ターゲット
フィボナッチリトレースメントで見る節目


今回のチャートでは、4500円(100%)と4150円(78.6%)が重要なブレイクポイントになります。特に4150円付近を明確に突破できれば、下落トレンドの流れを一旦断ち切り、上昇トレンドへの転換が意識される展開が期待できます。逆にこの水準で上値を押さえられる場合は、戻り売りに警戒が必要です。これらのラインを意識しておくことで、エントリーや利確の判断がより戦略的に行えるでしょう。
さらに、パラボリックSARも直近で買いシグナルに転換しており、短期的な上昇期待が高まっています。
RSIを見ると…短期的に加熱気味?


今の信越化学は70手前で急上昇中。短期的には加熱感が出てきているため、寄り天(朝だけ高くて下がる)リスクも頭に置いておくといいでしょう。
想定される月曜の株価シナリオ


信越化学の直近チャートと材料をもとに、今後の展開を予測します。
まず寄り付きでは、前日PTS取引の強さや自社株買い効果を受け、4300円までギャップアップする可能性が高いと見ています。
その後、短期的な利確売りや週末要因により、終値は落ち着いて4200円程度で引ける展開を想定。
週明け以降は、78.6%戻しにあたる4150円ラインで揉み合いが発生し、ここを下支えに再び反発、4500円付近への上昇が期待できる流れです。
上昇トレンドを活かす!初心者向け「2単元戦略」
信越化学のチャートでは、フィボナッチラインを軸に、上昇トレンドへの転換が見え始めています。この局面を攻めるために、初心者におすすめなのが「2単元戦略」です。
まず2単元(200株)買ってスタートし、もし想定と違う動きをした場合は、1単元(100株)だけ素早く損切りしてリスクを最小限に。反対に、相場が想定通りに動き出したら、残りの1単元に追加で1単元を買い直してポジションを強化していきます。この方法なら、トレンドに合わせて柔軟に動きながら、リスクとリターンをバランスよく取ることができるため、初心者でも安心して上昇相場に乗ることができます。



出口の目標は4500円付近を想定。ここは過去の高値水準であり、利益確定ラインとして意識されやすいポイントです。リスクを抑えながら、上昇の流れをしっかり捉える戦略が、初心者でも安心して資金を育てる鍵になります。
中長期でもおすすめ!


松井証券の日本株アプリより
信越化学工業の銘柄情報
信越化学工業は、時価総額8兆円超を誇る日本有数の大型優良株です。PER15倍、PBR1.89倍と、割高感のないバランスの取れた指標水準に位置しており、配当利回りも2.6%と手堅い水準。
2025年には1月の5287円の年初来高値から、その後市況悪化の影響で3425円まで下落。しかし、長期的には安定成長を続けてきた実績があり、押し目を狙う投資家からも注目されています。特に、現在はフィボナッチ的にも反発局面に差し掛かっており、適切なリスク管理をすれば中長期のリターンも狙いやすい局面です。
信越化学工業は、自社株買い発表と堅調な決算により、株価反発の材料が揃っています。ただし短期過熱感もあるため、押し目を狙うスタンスが有効です。リスク管理を徹底しながら、堅実にチャンスを拾いに行きましょう!
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